東洋水産健康保険組合

東洋水産健康保険組合

文字サイズ
  • S
  • M
  • L
検索

ニュース

[2018/05/01] 
【健保様向け】「輸入はしか」に要注意。流行している国や場所へ行くなら予防接種を

 はしか(麻疹・ましん)は、国内では2015年3月から「排除状態」になっています。排除状態とは、国内土着ウイルスによるはしかが3年以上にわたって発生していない状態です。しかし、海外から持ち込まれたとみられるはしかの感染例が後を絶ちません。

 

 はしかは麻疹ウイルスによって起こる感染症です。ウイルスはのどの奥(上気道)に付着して、扁桃腺のリンパ節で増え、全身に回っていきます。10~12日の潜伏期間の後に、38度程度の発熱があり、せきなどのかぜのような症状が出て、ほおの粘膜に小さな白い斑点ができます。その後、熱が39度以上にもなって、全身に発疹があらわれます。多くの場合、症状が出始めてから1週間ほどで自然に治ります。

 

 はしかが怖いのは、熱や発疹が強く出るだけでなく、肺炎や脳炎などの命に関わる重い合併症を招く恐れもあることです。ウイルスがリンパ球に感染すると、一時的に免疫が低下して、ほかの感染症にかかりやすくなる場合もあります。

 

 さらに、インフルエンザよりも強力とされる強い感染力もはしかの怖さです。インフルエンザは感染者のしぶきなどに触れてうつる飛沫(ひまつ)感染ですが、はしかは空気感染します。すなわち、同じ部屋にいた、同じ電車に乗っていた、というだけで感染する恐れがあるのです。免疫がない子どもばかりがいる教室に1人のはしかの生徒が入ると、20分以内に約90%の生徒が感染する、といわれるほど感染力が強いのです。

 

 いまだ特効薬はなく、かかってしまったら、高熱を抑えるなどの対症療法が中心です。このため、はしかの感染を防ぐことが非常に重要です。はしか予防の基本は2回のワクチン接種です。1回の接種では、数%の人に免疫ができなかったり、接種後に効力が落ちてしまうことをカバーするため、2回の接種が必要です。

 

 現在、風疹のワクチンと一緒になったMRワクチンが、1回目として1歳以上2歳未満(1歳児)、2回目として5歳以上7歳未満(小学校入学前の1年間)の子どもを対象に接種されています。ただ、1990年4月1日以前に生まれた人には、1回接種のみや未接種の人が多いとされています。そのため、はしかへの免疫が弱かったり、なかったりする大人では、感染のおそれが高くなります。

 

 はしかが流行している国や、国内でも感染が確認されている地域へ行く場合は、事前に、母子手帳や医療機関での検査ではしかの予防接種について確認し、受けていなかったり、受けていても1回だけ、あるいははっきりしない、といった場合は、予防接種を受けることが推奨されています。一度、はしかにかかったことがある人は、免疫ができているので、再びかかることはありません。

ページ先頭へ戻る